東京高校受験案内【2】
こんにちは、塾なし受験研究所です。高校選びに役立つ情報「東京高校案内」のコラム記事、今回は「都立西高(にしこう)」についてです。受験生や保護者のみなさんの高校選びに参考にしてみてください。
都立西高等学校
毎年クラス替え、校則はなし
都立西高校は、東京都杉並区にある全日制、普通科高校。東京に7校ある「進学指導重点校」のうちの1校です。都立最難関三校はHNK=日比谷(H)西(N)国立(K)と呼ばれることもあるようです。
国高(K)は「入学から卒業まで3年間同じクラス」ですが、西高(N)では毎年クラス替えがあり、いろいろな人とのかかわり合いが生まれます。このことについて西高の萩原前校長先生が「多様性」の話をされています。価値観や考え方の違いがある生徒同士がかかわっていく中、周りに否定されることなく、自分がやりたいことを認めてもらえる。そのうえで、バラバラというわけではなく、様々な部分で刺激が得られることが、西高のいいところだそうです。
西高に制服はありません。国高もそうでしたが、服装や髪型はもちろん自由で、髪染めもピアスもOKです。中学時代にダメと言われていたことが特段決まりはなく「皆に任されている」ということです。
西高の授業や学びは?
「授業で勝負」が合言葉に、生徒と教員で質の高い授業創り上げていく。また、これからの社会は新たな発想や実行力が求められ、様々な教養を身につけておく方が良いという考えから、5教科をバランスよく、教養主義という形で幅広く学ぶことを教育課程に取り入れています。
・自分で考える授業、疑問を大切にする授業
・7教科8科目対応型の教育課程
・3学期制、月曜〜金曜に 50 分で週3回の7時間授業
3年間で大学入学共通テスト得点率8割程度の基本的な力を身につけながら、1年生では学んだことについて意見交換するディベートも授業内に導入しています。また、年間 25 冊の読書を3年間続ける読書指導も行います。
数学はI、A、II、B、C、理科は物理、化学、生物を全員が履修。英語は、高2でオンライン英会話を導入し、月1程度、教科書で扱った素材をもとに発展させて実施しています。
また「持続可能な探究を探求する!」をテーマに、1学年「企業探究」、2学年「個人探究Ⅰ」の探究活動を通して、『課題発見→解決策の計画立案→検証→発表』という流れを体感し、変化の激しい社会に対して主体的に参画する態度を育成しています。
生徒が企画運営する伝統ある学校行事
西高の教育理念は「文武二道」「自主自律」で、国際社会で活躍できる器の大きな人間の育成を目指した教育活動を行っています。「文武二道」とは、文(学習・教養)と武(学校行事、部活動、課外活動等)の二つの道を究めるということ。学問と自分のやりたいことの両方を究めてほしいということですね。
二大行事は、5月の運動会と9月の記念祭。運動会は学年種目などの競技と応援合戦に盛り上がります。
文化祭である「記念祭」は、1、2年生はクラスで行い、3年生は任意参加です。3年生はサークルや仲間、個人で参加しているようです。舞台や演奏、研究発表、模擬店などの企画満載で、学校全体でというより、クラスや団体、個人それぞれが発表や企画を楽しんでいる雰囲気です。
そのほかの行事には、新入生歓迎会、年2回(夏・春)のクラスマッチなど、運動会や記念祭もあわせた行事は生徒の実行委員会による自主運営です。
進路指導については?
西高の進路指導では、入学時から3年間を通した計画的なキャリア教育が行われています。まずは自分を知るためのオリジナルの「進路ノート」を作成し、自己理解深めます。進路情報の提供や個人面談はもちろんですが、ほかにも特徴的な進路指導が行われています。
進路ガイダンスは、西高卒業の現役大学生(大学院生)による、2年生に向けた大学進学のためのガイダンスで、6月と3月に一回ずつ実施されます。
訪問講義は、現在各分野で活躍中の西高卒業生による生徒のための教養講座で、1・2学期二回ずつ、宇宙工学から、国際政治・子育て支援まで、扱われるテーマも幅広い。最先端の研究情報から各講師の高校時代の思い出や失敗談、挫折の経験など、それぞれの道で研鑽を重ねてきた人ならではの話を聞くことができます。
訪問講義のほかに、3月に1年生を対象に行われるパネルディスカッションでは、第一線で活躍中の先輩達の話を直接聞くことができ、大学進学だけでなくその先の「人生の進路」を考える契機となります。また、ジョブシャドウイングや大学の研究室訪問などの体験を通して、将来の自分の生き方を考えていきます。
また、難関大学に進学した卒業生がチューターとして毎日放課後、進路室に常駐しており、大学生活や進路に関する相談、学習のアドバイス等、様々な相談に応じています。
3年生のほとんどが国公立大を目指し、共通テストを受験します。3年生の 共通テストの得点率や難関国立大学の現役合格者のデータは図を参考にしてください。
指定校推薦はありますが、早稲田大学と慶應義塾大学のみです。西高は浪人生が多いとよく言われますが、第一志望の難関大学や医学部の受験をあきらめない生徒が多いと学校は説明しています。
西高への入学を志望している中学生やご家族の参考になればうれしいです。
6月になると各高校で、学校見学や説明会が始まっています。事前予約が必要な高校が多いので忘れないようにしましょう。高校受験は、志望校選びも勉強も計画的に!ですね。
所長・塚松美穂
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